

「今日こそ散らかっている部屋を片づけよう!」
しかし部屋を見た途端
やる気が失せてしまう…なんてことがあります。
これは、
視界から入る情報が多すぎて、
注意が散漫になり、
集中力が低下してしまうから。
散らかっている部屋での作業は
早い段階で疲労感が引き起こされるのだそう。
さらに散らかっている部屋での生活は、
『自分の個人空間』という場から得られる
安心感・安全感が減り、
自己肯定感が低下しやすくなる、とも。
とにかく
部屋が散らかっていていいことはなさそうです。
以前、部屋を片付けられないという悩みで
相談に来られた方がおりました。
「いいな」と思った物はすぐ買ってしまい、
物への愛着も強く捨てることが苦手。
部屋は散らかり放題。
家族からは白い目で見られ
文句を言われることも多く、
本人も
自分を「ダメな奴」と責めてました。
本人の話から、
何にでもすぐ興味を持ってしまうこと、
考えるより先に行動してしまうこと、
優先順位を考えられず整理整頓ができないなど
他にも ADHDと思われる特徴が多く聞かれました。
誰とでもすぐ友達になる明るい方で
喋っていると楽しいのですが
主訴が毎回コロコロ変わり、
ダラダラ(?)面談が続くばかりで
何も改善されません。
聞いている僕も
何が本来の相談だったか忘れてしまうのでした。
そんなある日
「先生、片付けられました!」
とご報告が。
「どうやって片づけたのですか?」と、
びっくりして尋ねると
「実は、プロの掃除屋に頼んだんです」
見られるのが恥ずかしくて
業者に頼るのは気が引けていたけど
思い切って頼んでみたら、
これが結構リーズナブルな値段で、
プロがやるとこんなに凄いんだと感動したし、
見ていて勉強になった
とのこと。
「でも…業者にやってもらったんだから
片付けができたとは言えませんよね」と、
言われるので僕は
「何言ってるんですか!
自分の出来ないことを
他の人にお願いしてやってもらうことも、
大事な対処行動の一つですよ。」
と言いました。
部屋がスッキリしたのが
この人の成功体験になったのか、
以来、
定期的に業者さんに来てもらい、
一緒に部屋を片づけることに。
「今は金銭面も考えて、
主要な部屋だけやってもらうことにしています。
安く済ませたいなら散らかさないようにしようと」と、
自分なりの工夫もするように。
もちろんそれでADHDの特性がなくなる訳ではありません、
また暫くすれば散らかった部屋に戻ってしまいます。
しかし
定期的に部屋が片付くということが
その方やご家族に安心感を与え、
責められることが減り
今では業者さんありきの生活に安定し、
嘆くことがなくなりました。
自分なりに考えて決めて結果的に解決した、ということが
その方に自信をつけさせたのでしょう、
表情や声から憂いが消え、以前よりスッキリしていました。
「自分は何も出来ないダメな奴」
という思い込みを捨てられたことが
この方にとって
一番スッキリしたことだったんじゃないでしょうか。
